環境DNA調査によるニホンウナギの住処

環境DNA調査で、他の工法と比較し「鰻」の住処になっている結果報告

水中、土壌中、空気中などあらゆる環境中には、そこに生息している生物由来のDNAが存在しています。そのDNAを総称して、 環境DNA (environmental DNA, eDNA) と呼んでいます。その環境DNAを採取し分析することで、生物の在不在や生物量・個体数、さらには遺伝情報などの膨大なデータを得ることが可能となってきました。昨今、土木業界を始め、各業界で大変注目されている技術です。

山口大学環境DNA研究センターへ鋳田籠工法付近と他の工法付近の水を採取し、各地点で水1Lを採取し、水中に含まれる「ニホンウナギの環境DNA濃度」の調査を依頼いたしました。環境DNA濃度から、採水地点付近のニホンウナギの生息密度や生物量(バイオマス)の相対的な評価を行い、分析した結果は次の通りとなりました。


山口市萩市阿武川

鋳田籠が施工されている右岸(St. 1-5)では、すべての地点でDNAが検出された
鋳田籠が施工されていない左岸(St. 6, 7)では、DNAの検出されない地点がある


■山口県山口市島地川

施工されている右岸(St.9)より、施工されていない左岸(St. 10)では、DNAの数値は低い。

ニホンウナギにとっては鋳田籠はよい住処になっている可能性が示されました。

鰻の住処となっているということは、鰻の餌となる鮎・モクズガニ・カジカも多く生息しています。


・ニホンウナギの定量PCR分析
ニホンウナギの定量PCRの結果,鋳田籠護岸では最大で3.98 copies/mL,最小1.17 copies/mL平均2.42 copies/mLであるのに対して,コンクリート護岸では最大で1.86 copies/mL,最小0.00 copies/mL平均1.17 copies/mLとなり,鋳田籠護岸では明確にウナギの生物量が増加することが明らかとなった.


治水・国土強靭化としての機能を果たしながら、同時に生物多様性に大きく貢献することが出来る土木工法であることが証明されました。

※詳しい環境DNAレポートをご希望の方は、事務局までお問い合わせください。